「信長公居館の中枢部で新たな庭園を発見!」

 近頃は朝晩の冷え込みが強くなり、岐阜公園の木々も色づき始め、紅葉の見頃を迎えようとしています。今年度は、ロープウェイのりば南側の、館の中心建物があったと考えられる平坦地で発掘調査を行っています。今回はこの平坦地の東端の明治大帝像移設跡地で「庭園」が発見されましたのでご紹介したいと思います。
 見つかったのは、南北7.5m以上、東西6.1m以上の南北に長い楕円形をした「池の跡」です。池の深さは約35cm、池底には小円礫が敷き詰められていました。ルイス・フロイスが残した居館の庭園の記述に「その(池の)底には入念に選ばれた鏡のよ
うに滑らかな小石…」とあります。この池の跡をさらに調査すると、庭園の景色の一部となる庭石「景石(けいせき)」を抜き取った跡や中島(なかじま)と考えられる箇所、池の水の取り入れ口と考えられる箇所などがあることがわかりました。
 景石を抜き取った跡などからは、「緑色片岩(りょくしょくへんがん)」と呼ばれる石材が見つかりました。「青石(あおいし)」とも呼ばれ、室町時代以降、京都の庭園の庭石として珍重されました。美濃では産出されない石材なので、わざわざ庭に据えるために運んできたのでしょう。
 池の東側には2、3mの大きな石を立て並べた「巨石列」があります。今までは巨石列は奥にある建物を立派に見せるためのものと考えていましたが、すぐ隣で池が見つかったことで、庭の景色の一部としても見せていることがわかりました。
 池の西側からは、建物の柱を立てた礎石が2石見つかりました。庭園に隣接した建物があり、そこから庭園を鑑賞していたことが考えられます。今回の池の跡の発見は、居館の中枢部の空間構造を考える上で重要な発見になりました。
 信長公居館の発掘調査では、今まで5つの庭園遺構が見つかっています。それぞれ規模や構造が異なっており、今後、比較・検討を加えることで居館内でのそれぞれの庭園の使われ方、場の性格が明らかになっていくと期待できます。
 今回見つかった庭園跡は、以下の日程で公開・説明会を行います。ぜひ、この機会に織田信長公も鑑賞した「庭園」をご覧下さい。
【現地公開日時】
平成24年11月24日(土)午前10時から正午まで(少雨決行)
※午前10時から岐阜公園ロープウェイのりば南側で担当職員による説明があります。

手前に建物の礎石が見えます。

池底の様子
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