信長居館中心部の建物に使われていた金箔の飾り瓦が判明しました!

ニュースが続きます。

 

2012年11月26日に新たな記者発表を行いました。

久々の全国ニュースですね。今回発表した概要は以下の通りです。

●発掘時期

平成20、22年度出土。

今年度、出土遺物の整理作業を行う中で金箔瓦であると判明した。

 

●発掘場所 (C地区)

信長公居館の中で面積が広く、伝承も残っていることから、 中心建が存在したと考えられる場所 (C地区西端及び北西側斜面)

 

瓦の概要

 2種類の金箔貼り付けの飾り瓦

 大きさは28㎝×28㎝、厚さ3㎝

屋根の棟を飾ったとみられる。

 

牡丹(ぼたん)(もん)? 

約60枚の円盤状の粘土で花びらを表現している。牡丹の可能性大。このような文様の瓦が見つかったのは全国で初めて。

 

 

菊花(きっか)(もん)  20枚の花びらで菊の花を表現している。

 

科学分析の結果、それぞれの瓦に付着している物質が金であることが確認された。一部では漆も検出されており、漆を接着剤に用いて金箔を貼りつけた瓦であることが明らかになった。 

 

 

分析方法  元素マッピング分析・・・瓦に残っている金の分析 

赤外分光分析・・・瓦に残っている漆の分析

 

 ◎文様や技術の特徴から、 安土城と同じかそれ以前の時期のものである可能性が高い。

 

●今回の発見の意義

 

・絵画資料では、将軍や豊臣秀吉、徳川家康など特別な人に関わる重要な施設の棟を金箔の瓦で飾る描写がみられる。今回の瓦も織田信長公居館の中心建物の棟を飾る瓦である可能性が高い。

・屋根部分は板葺きや檜皮葺(ひわだぶき)等で棟部分のみに瓦が用いられていたと考えられる。

 

・城郭に金箔瓦を用いる日本で最初の事例となる可能性が高い。

・信長公居館の屋根の姿が具体的になってきた。

 

●小和田哲男 氏(静岡大学名誉教授)のコメント

御殿風の建物を飾った瓦であると考えられる。 は特に、 牡丹権力を象徴する花であり、その二つを意匠として取り入れていることは、その頃の信長の「天下」への夢を物語っている 

 

●飾り瓦の速報展示

 〈期間〉平成24年11月28日(水)~平成25年1月31日(木)

〈場所〉岐阜市歴史博物館 2階 常設展示室内

 

左が牡丹?、右が菊の文様です。復元すると、手前のパネルのようになると考えられます。 約60枚の円盤状の粘土で花びらを表現しています。このような文様の瓦が見つかったのは全国ではじめてです。 菊の文様。10+10の花びらで菊の花を表現しています。 推定模型。このように建物の棟を飾ったと見られます。