今年度もあと僅か。
今年度の調査は小規模なものでしたが、大きな成果がありました。
調査成果まとめ
1.発掘調査の概要
発掘調査場所 : 岐阜市千畳敷(岐阜公園内)
調査期間 : 平成26年7月~平成27年1月
調査面積 : 約100㎡
調査場所 : C地区(北斜面と西斜面)
調査目的 : 館の中心建物があるC地区の北・西斜面の内容確認。
平成26年発掘調査は、館の中心建物があった平坦地の北側と西側にトレンチを設定して行いました。
(地形復元模型・調査場所)
2.見つかった遺構と遺物
(1)C11トレンチ(C地区北斜面)
(C11トレンチ全景)
●1次調査で見つかった水路とその護岸の延長部分の石垣を検出
●水路のコーナー部分を確認
・北側斜面下半で石垣を検出
・東側斜面では石組み状遺構を検出
●橋台に関連する遺構を検出
・A地区の橋台関連遺構とほぼ同一レベルで硬化した平坦面を検出
●石垣と水路底の石の表面は被熱によって赤く変色
・被熱の範囲は橋が架かっていたと考えられる部分のみ
(石垣の表面が赤く変色しています)
(2)C10トレンチ C地区西斜面
(写真:C10トレンチ全景)
●平成20年度に検出された石列(石垣の基礎か?)の続きを検出
3.まとめ
①昨年度A地区で見つかった橋台関連遺構と似た遺構が対岸のC地区でも発見された
⇒橋の可能性が一層高まる。A地区とC地区は一体で使われていた可能性が高い。
(A地区で見つかった橋の土台)
②石垣の表面が被熱によって赤く変色していた
⇒石垣周辺にある構築物が焼けた痕跡。
赤く変色していた範囲は橋が架かっていた可能性がある範囲のみで、構築物は橋である可能性が高い。
③橋よりも上流の谷川南護岸は、庭風の石組みであると判明
⇒橋から滝(現・平成の滝)を中心とした景色を見せていた可能性が高まる。
(橋から見た景色)